コラーゲンは美肌作りに欠かせない成分ですが、摂り方次第では、効果が半減してしまうこともあるようです。コラーゲンを効率良く摂るにはどうしたらいいのでしょうか?
コラーゲンとは。
コラーゲンは体内に存在しており、真皮や骨などを形成するたんぱく質のひとつです。身体を作る為に重要な役割を持つたんぱく質ですが、そのうちの約30%をしめるのがコラーゲンです。コラーゲンの種類は現在分かっているだけでも29種類あり、そのうち皮膚に存在するものが9種類あります。
【代表的なコラーゲンの種類】
- Ⅰ型コラーゲン
骨、皮膚、靭帯、腱に存在。皮膚のコラーゲンの90%をしめる。弾力を与える。 - Ⅱ型コラーゲン
軟骨に多く存在。健康的な関節を保つために必要。 - Ⅲ型コラーゲン
血管、臓器、子宮、肌に存在。赤ちゃんの肌に多く存在。柔軟性を与える。ベビーコラーゲンと呼ばれている。 - Ⅳ型コラーゲン
表皮と真皮の間の基底膜の一部。肌の構造を保つ。 - Ⅴ型コラーゲン
骨、皮膚、靭帯、腱などに存在。結合組織の繊維を構成。臓器の補強や柔軟性を保つ。
コラーゲンが減少するとどうなる?
コラーゲンは健康的な身体を作るために重要な成分です。そんなコラーゲンが減少すると身体にどのような症状が出るのでしょう。
- しわやたるみができやすくなる
コラーゲンは肌に弾力をもたらす成分です。コラーゲンが減少すると、肌の構造が崩れ、しわやたるみが出来てしまいます。 - シミ、そばかすができやすくなる
コラーゲンは肌の真皮で生成されます。真皮でのコラーゲン代謝が衰えるとターンオーバーが乱れ、メラニンが皮膚から排出されなくなり、シミやそばかすとして肌に残りやすくなってしまいます。 - 肌が乾燥する
真皮で作られるコラーゲンの代謝が悪くなるとうるおいが減少し肌がカサカサになってしまいます。 - 関節痛がおこる
関節の骨と骨の間には軟骨があり、軟骨は主にコラーゲンと水からできています。関節の柔軟性や弾力に欠かせないのがコラーゲンです。軟骨のコラーゲンが減少すると、軟骨の組織が硬くなったりもろくなったりして、関節に痛みが出てしまいます。 - 毛髪トラブル
ストレスやホルモンの乱れにより起こる毛髪トラブルですが、実はコラーゲンの不足でも起こることがあるそうです。白髪、抜け毛、薄毛など毛髪トラブルの予防、改善にもコラーゲンが有効だといわれています。
コラーゲンを効果良く摂る方法
コラーゲンは年齢とともに必ず減少するものです。身体を作るために必要なコラーゲンは、なるべく効率よく摂取したいですよね?そんなコラーゲンを効果良く摂る方法を紹介します。
コラーゲンはビタミンCと一緒に摂る!
コラーゲンを多く含む食品と一緒にビタミンCを摂ることでたくさんコラーゲンを摂取することが出来ます。 ビタミンCはコラーゲンの生成や吸収を助ける働きがあります。
【コラーゲンを多く含む食べ物】
コラーゲンがたくさん含まれている食べ物(食品)は、動物性食品(肉)と海洋性食品(魚介類)があります。
動物性食品 | 牛スジ・牛テール・手羽先・鶏の皮・鶏軟骨 レバー・砂肝・豚足・豚バラ・豚骨スープ | ||
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海洋性食品 | 魚の皮・アンコウ・イカ・タコ・カレイ・うなぎ えび・なまこ・クラゲ・スッポン・フカヒレ・エイヒレ | ||
その他食品 | ゼリー・杏仁豆腐 |

コラーゲンを多く含む食べ物は、塩分や脂質が多いから、食べ過ぎには注意しよう!
コラーゲンは亜鉛と一緒に摂る!
亜鉛は、身体の各組織の代謝促進に必要な栄養素です。もちろん皮膚の生まれ変わりにも必要な成分です。コラーゲンを合成するのにも亜鉛が必要になります。亜鉛が不足すると、皮膚の乾燥、肌荒れ、ニキビ、皮膚炎など様々な肌トラブルが起こる可能性があります。
【亜鉛が豊富な食べ物】
煎茶・牡蠣・スルメ・かずのこ・ホタテ・牛レバー・豚レバー・ひじき・きなこ・アーモンド・パセリ・シソ・玄米・卵黄・チーズ・干しシイタケ・わかめ
コラーゲン生成に必要な必須アミノ酸を摂る
コラーゲンを生成するためには、9つの必須アミノ酸の摂取が必要です。
【9つの必須アミノ酸】
- バリン
- イソロイシン
- ロイシン
- メチオニン
- リジン(リシン)
- フェニルアラニン
- トリプトファン
- スレオニン(トレオニン)
- ヒスチジン
【9つの必須アミノ酸それぞれを多く含む食べ物】
バリン・イソロイシン・ロイシン
筋肉を作る為に最も重要な必須アミノ酸が、分岐鎖アミノ酸(BCAA:バリン・ロイシン・イソロイシン)です。
まぐろ・かつお・あじ・さんま・鶏むね肉・鶏もも肉・牛肉・卵・チーズ・牛乳に豊富に含まれています。
メチオニン
ウニ・レバー・小麦・牛乳・チーズ
生のウニには、様々な種類のアミノ酸が豊富に含まれています。
イソロイシン・チロシン・アラニン・ロイシン・リジン・トリプトファン・グルタミン酸・メチオニン・バリントレオニン・アスパラギン酸・グリシン・シスチン・ヒスチジ・セリン
リジン(リシン)
プロセスチーズ・チェダーチーズ・卵黄・大豆・鶏肉・豚肉・牛肉・かつお節・まぐろ・きな粉・湯葉・高野豆腐・小麦胚芽
フェニルアラニン
きな粉・パルメザンチーズ・湯葉・かつお節・卵白・大豆・かずのこ・小麦たんぱく
トリプトファン
アボカド・バナナ・魚卵・パルメザンチーズ・湯葉・卵白・かつお節・大豆・かずのこ・小麦たんぱく・ゴマ
スレオニン(トレオニン)
かずのこ・卵白・かつお節・まだら・するめ・大豆・干し貝柱・小麦胚芽・脱脂粉乳・鶏肉
ヒスチジン
かつお節・マグロ・カツオ・サンマ・鶏肉・卵白・チーズ・大豆
運動でコラーゲンが増える⁉
食事だけでなく、適度な運動でもコラーゲンを増やすことが出来ます。
運動することで血流がよくなり、コラーゲンを生成する細胞が活発化して、コラーゲン合成能力が高まります。運動は続けることが大切ですので、無理なく続けられるウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動から始めてみるのがいいかと思います。
質の良い睡眠でコラーゲンが増える⁉
睡眠不足が続くと、コルチゾールというストレスホルモンがたくさん分泌されます。コルチゾールがたくさん分泌されると、コラーゲンの生成を阻害し肌トラブルや老化が促進されます。また、質の良い睡眠だと十分な身体の回復ができます。ですので、質の良い睡眠を心がけコラーゲンをストレスホルモンから守りましょう!
紫外線対策をする
紫外線は肌のコラーゲンにダメージを与えます。
紫外線を浴びることによって、コラーゲンを分解する酵素が増えてしまいます。UVA(紫外線A波)は、浸透力が高く肌の奥(真皮)まで届くため、コラーゲンを破壊してしまうのです。
しっかりと対策をして紫外線からコラーゲンを守りましょう。
コラーゲンをサプリメントで取る
コラーゲンを多く含む食品はカロリーが高いものが多く、毎日たくさん食べると栄養の摂り過ぎになってしまいます。
ここでおすすめなのがコラーゲンサプリメントです。コラーゲン食品だけでなく、コラーゲンサプリメントをプラスしてみましょう。
【コラーゲンサプリメントのメリット】
コラーゲンサプリメントは錠剤、粉末、ドリンクタイプに分かれます。錠剤は、いつでもどこでも簡単にコラーゲンの補給が出来ます。仕事や旅行先に気軽に持っていくことが出来ます。粉末タイプは色々な飲み物や食べ物に混ぜることができます。また、継続しやすく、毎日簡単に続けることが出来ます。
【コラーゲンサプリメントのデメリット】
「コラーゲンは身体に直接作用するわけではなく、体内でブドウ糖とアミノ酸に分解されるだけ」という意見があります。
おわりに
コラーゲンは加齢によって減少していきますが、食事や運動で増やすことが出来ます。
食生活をみなおし生活に運動を取り入れてコラーゲンを効率よく増やしましょう!
参考サイト
https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/copd/nutrition/04.html
http://www.showa-u.ac.jp/topics/2017/20170523_000.html