こんにちは!
マレーシア移住の支えとなっていた【MM2Hビザ】の申請条件が、厳しく改変されたという残念なお知らせが飛び込んできました…。
今回の記事は、変更された内容について簡単にご紹介いたします。
そもそもMM2Hビザとは?
MM2Hビザとは、マレーシア政府が推進する外国籍の方へ向けた長期滞在ビザです。
マレーシア・マイ・セカンド・ホームの略で、つまり「マレーシアを第二の家にしよう!」といった意味合いのビザで、豪州などに比べて申請条件のハードルが低いことが魅力でした。

2021年8月11日付で、マレーシア内務省が「新たな申請条件」に関する指針を発表し、これが非常に厳しい条件へと変更されているため、移住を考えていた人達の間で物議を醸しています。
いずれにせよ現在はコロナの影響もあり、2020年6月から新規のMM2Hビザ申請は停止してますが、2021年10月より申請の再開を予定しています。※コロナの状況次第で延期有
申請条件の変更内容とは?
和訳されているサイトをいくつか参考にして以下の表にまとめました。
「RM」はマレーシアの通貨で、マレーシア・リンギットのことです。
申請条件 | 旧条件 | 新条件 |
---|---|---|
有効期限 | 10年 | 5年 |
月収証明 | RM1万以上(約25万円) | RM4万以上(約100万円) |
金融資産証明 | 49歳以下:RM50万以上(約1,250万円) 50歳以上:RM35万以上(約875万円) | RM150万以上(約3,750万円) |
定期預金額 | 49歳以下:RM30万(約750万円) 50歳以上:RM15万(約375万円) | RM100万(約2,500万円) |
ビザ発給費 | RM90/年(約2,250円) | RM500/年(約12,500円) |
申請処理手数料 | 特になし | 申請者:RM5,000(約125,000円) 帯同者:RM2,500(約62,500円) |
年齢制限 | 特になし | 35歳以上 |
滞在義務 | 特になし | 90日間(申請者本人又は配偶者) |
帯同者預金 | 特になし | RM5万/人(約125万円) |
受入上限 | 特になし | 人口の1%未満(約32万人相当) |
以上が旧条件と新条件になります。

他にも、セキュリティーチェックや無犯罪証明書の提出など細かい申請要件もありますので、詳しくは以下のページを参照してください。
新規申請に関するマレーシア内務省発表内容(在マレーシア日本国大使館)
それでは、ジャンルごとに詳しく見ていきましょう。
収入など金銭的な条件について
第一にこれが大きいですね…。
これまでは月収額「25万円以上」で良かったのに、一気に「100万円以上」にアップ。
これってつまり、年収1,000万円超プレイヤーに限るってことですよね…。
さらに、これまでなかった手数料なんかも取られるようになり、預金額や資産証明の金額まで大幅にアップされてしまいました。帯同者の預金額まで…。
もはや「お金持ちしか受け入れませんよ~」と言ってるように感じてしまうほどです…。
滞在できる期間、年齢制限について
これもヤバイです…。
これまで申請が通れば「10年」まで滞在できるビザだったのに、今回の改変で半分の「5年」に引き下げられました。
5年後には更新の申請して、同条件をクリアしなければなりません。
さらに、年齢制限まで設けられており最低でも「35歳以上」でなければそもそも申請できません!
若いうちからマレーシアに移住しようと計画してた人には痛いですね…。
受け入れ人数の制限について
こちらも、これまでなかった項目ですが、マレーシアの人口の「1%未満(約32万人相当)まで」という制限が付いています。
まぁ、これに関してはさほど気にする必要ないかもしれませんが、なんだかこれも「1%の限られたお金持ちだけ」っていう風に見えてしまいます。

代替策に「サラワクMM2H」がある!
サラワクMM2Hは、通称「S-MM2H」と呼ばれるビザで、マレーシアの西側、国土の37.5%を占める「サラワク州」のビザ制度です。
交通面でも利便性は高いサラワク州
- クアラルンプールから:国内線で約1時間45分
- シンガポールから:国際線で約1時間30分
それでは、MM2HとS-MM2Hの違いについて見ていきましょう。
サラワクMM2Hビザの3つのメリット
S-MM2Hビザには大きく分けて3つのメリットがあります。
- 取得までにかかる時間が短い
必要書類の提出後、問題なければ平均2~3ヵ月ほどでビザが取得できます。 - マレーシアのどこでも滞在できる
ビザ取得後はサラワク州だけでなく、マレーシア国内すべてに滞在できます。 - 50歳以上の申請条件がゆるい
50歳以上なら月収証明、財産証明のどちらかの条件を満たすだけでOKです。
ちなみに、S-MM2Hビザの有効期間は5年です。
更新には年間15日以上のサラワク州滞在が必須条件です。
サラワクMM2Hビザの申請条件
年齢別の条件と、共通の条件があります。
年齢 | 申請条件 |
---|---|
30歳 ~ 39歳 | 以下いずれか1つを満たすこと 1. 子供がサラワクの学校に通う理由がある 2. 申請者または帯同者が長期間サラワクで治療を受けなければならない理由がある |
40歳 ~ 49歳 | 以下いずれか1つを満たすこと 1. 子供がサラワクの学校に通う理由がある 2. 申請者または帯同者が長期間サラワクで治療を受けなければならない理由がある 3. サラワク州でRM60万(クチン市)以上、RM50万(それ以外)の不動産投資をしている |
50歳以上 | なし |
共通 | 申請条件 |
---|---|
財産 | 夫婦での申請:RM30万(約750万円) 単身での申請:RM15万(約375万円) |
月収 | マレーシア国外での収入(政府認定年金含む)が 夫婦:RM1万(約25万円)、単身:RM7,000以上(17万5千円) |
定期預金 | 夫婦での申請:RM30万 単身での申請:RM15万(約375万円) サラワク州にある銀行で定期預金を組むことができること |
無犯罪 | 警察署で無犯罪証明書を発行してもらいます。(発行してから1年以内有効) |
滞在期間 | 更新をするためには、年間15日以上サラワク州に滞在する必要があります。 |

また、S-MM2Hビザでは、銀行口座の作成、不動産の購入が可能ですが、就労は不可となります。
コロナ渦の現在でも申請は受け付けているとのことですが、詳しくは代理店や当局にご確認ください。
以上が今回ご紹介したかったMM2Hの変更点と、S-MM2Hという代替案でした。
ただ今回のMM2Hの改定については、まだマレーシア内務省も公式決定としていないという情報もあります。
あまりにも不評だったら元の条件か、もしくは少しマシな条件に変更される可能性もあります。
というわけで、この件については続報が出たら追って記事にしていきたいと思います!